赤川次郎 三毛猫ホームズの暗闇
赤川次郎 三毛猫ホームズの暗闇
初めて読んだ赤川次郎の作品である。
自分のこだわりというのでしょう。有名作家の作品をとにかく一度は読んでみたい。この作品もこのような気持ちで読んでみた。
感想としては読みにくかった部分があった。おそらくそこは赤川次郎のスタイルかもしれないのだが、まあ、実際まだ一冊目というのもあって、断定はまだできないけれど、物語の中の人物の会話の描写が独特な感じがした。まるで脚本のように、会話そのままの感じで書かれていた。このセリフを誰が言ったのか、理解するのに少し苦労をした。
今まで読んだ他の作家たちは大体誰がこのセリフを言ったのかを読者がわかるように記述しているけれど、赤川次郎の場合はそれが省略されたのだ。臨場感がより伝わるのかもしれないけれど、こちらは物語に入り込んでいないせいもあるかもしれない、時々わからなかった。
展開もそれなりに早いので、誰から発した言葉かを理解できないとなかなか話の続きについていけないこともしばしばあった。
おそらく、ドラマで見るならかなり簡単に理解できる話なのだが、小説のままだと少し大変だった。
しかし、内容は心がほっこりするようなミステリーばかりで、いやな気分になることもなく、”奇妙”な事件を普通に楽しめた。
いくつかの短編で構成されていて、それぞれも興味深い事件で、なかなか予想はできないところがまた良い。最後結末を知った時それほどの衝撃は受けられなかったけれど、なんとなく安心感が得られるような話ばかりだった。
やわらかい感じのミステリーとは私の感想になる。
一気に読み切ったわけではなく、途切れ途切れで読んだせいもあってか、とにかく自分のなかの感情が盛り上がらなかった印象が強かった。
少し物足りない感がある。笑