Kitto 自己満の随筆ブログ

日本の小説をこよなく愛する香港出身の者による読書感想やふとした日常の綴りが中心になるブログです。

攻防戦

秩序のある呼吸をしていて、一つ、そしてもう一つ、空気の酸素を鼻腔から気管、次第に肺、血管に到達しやがて全身に運ばれる。

 


そんなのがずっと繰り返しをしているのだが、今日のは少し変だ。

 


空気が鼻腔に触れた瞬間からものすごく刺激を感じ、繊細な組織が何かの尖ったものに突かれたり引っ張られたりして、時には捻られるような感覚をする。

 


それに対抗するように体が反射的にいつもより多い空気の量を貯めて、強い勢いをつけて必死にその不快な攻撃を鼻腔から追い出そうとしている。

 


それからこんないつもとは違った緊急事態のために、脳からの指示を受けて、鼻腔の繊細な組織を守るべく分泌を増やして、液体のバリアを作って、不快な攻撃を巻き込んでまるごと鼻腔から流しだす。

けれど量の調整が効かないためか、それとも敵の数が凄すぎたせいか、その液体の分泌はまるでナイアガラの滝のように流れていて、止めようがなく幾分の苦しみが与えられる。

 


そんな攻防戦を朝起きてからずっと繰り広げられている。

 


世間はそれを"鼻炎"と呼ぶらしい。