永遠の0ー百田 尚樹
永遠の0ー 百田 尚樹
また得意な”映画化名作”だった作品だ。私は本当にこの手の作品が
好きだな、どれほどミーハー気質なんだろう。
さて、内容について書こう、かなり分厚い本作は読み始めたごろ、戦闘機の戦闘シーンがとても臨場感があって、面白い!その上、戦時の話に疎かったので、内心ワクワクしてならなかった。
しかし、読むにつれて、あまりにも戦争当時の環境についての描写が長く、とてもそこで読む気を失っていた。とはいえ、内容自体はまさに戦争の話で、自分の知りたかった話でもあった。ただ、小説としてはやや緊張感を欠く内容になっていると思った。
正直飛ばしても、もしくは一部省略しても物語にはそんなに影響を与えないのではないかと思った。
これは自分の性格の問題かはよくわからないが、読む気がなくしかけているにも関わらず、意地でも読破してやろうという一心で、頑張って最後まで読むことにした。
もちろん、読破するまで要した時間はかなり長かった。初期の章節の内容はほとんど忘れかけていて、曖昧な感じだった。しかし、まさに私が思ったように、一部の内容についてちゃんとわからなくても物語を楽しむには大して支障はでない。
こんな具合で進んでいって、いよいよクライマックスを迎えることになった。
終盤に近付くと、ようやく小説らしくなってきたと思う。初めて、最後の結末にものすごく気になって、最後はどうなるのかを、再びワクワク感が沸返った。
戦時の日本、命に対する態度、当事者の心境など、細かく描写されて、今の時代を生きている私には共感しにくくても、ちゃんとその心理を理解できたかなり良い描写をされていたと思う。おそらく、あれほど長い内容があったからこそ、このようにわかりやすくなっているのではないかと初めて思った。
帯のコメントのように号泣はしなかったものの、十分感動的な作品だと思う。
どこまでが本当の歴史かはわからないし、深く追求するつもりもないんだが、何も知らなかった私にとっては丁度いい勉強になったと思う。日本という国についてもっと知れたと思う。