Kitto 自己満の随筆ブログ

日本の小説をこよなく愛する香港出身の者による読書感想やふとした日常の綴りが中心になるブログです。

アクアリウム日記③ 立ち上げ編 ろ過

水槽を買い、設備などをセッティングして、いざ我が家の金魚たち、新しい家へようこそ!と水槽に入れたら、あっけなくホシとなったのであった。

それでは到底いけないことなので、ネットの情報を漁るほど勉強して、ようやくアクアリウムの基礎、熱帯魚を飼うためにそのシステムについて理解した。

 

今回金魚たちを死なせた原因はつまり、水、そう!水質の問題であった。

 

もちろんもともと金魚すくいの金魚だからかなり弱っていたとか、様々な病気を持っていたことも考えなくもないけれど、水質の問題でそれらの悪化を加速させたということも言えるだろう。

その水質をいかに良い状態を保てるのかアクアリウムの基礎とも言える。

所詮アクアリウムというのは、自然を自分の小さい水槽の中に再現することになるのだ!

その中一番肝心なところはやはり水の量だ。自然の河川などは比べられないほど水量があって、さらにずっと流れているのだが、

それをどう水槽の中で再現するかというと、それはろ過システムのことだ。

 

今まで自分のろ過のイメージは魚たちのフンとかの汚染物を隔ててきれいな水を戻してくれることだと思っていたが、実はこれは単なる一つの役割に過ぎず、まだまだろ過の重要性を知らなかった。

ポンプで水を吸い、吐き戻すことによって水の流れを作る。水を死んだ水にしないで、生きている水にしてくれるのだ。

 

自然の水の中にはもちろん何もろ過のような機械とやらが存在しない、それでもきれいで、その上酸素なども含め、さまざまな栄養素があって魚たちには最適な空間になっている。

この自然の水の仕組みを水槽に限りなく近づけようとすると、このように二つの作業が必要になる。

  1. 物理ろ過
  2. 生物ろ過

 

物理ろ過

文字通り物理的なものをろ過するシステム、魚たちのフンや食べ残しなどのゴミをスポンジなどで遮って水だけを通過させる仕組みだ。

ゴミがなくなった水が再び水槽に戻って水の流れも作られる。

自然の場合は地球の引力によって水が流れているのと一緒だ。

 

生物ろ過

今度形のあるものではなく、水自体を浄化するような意味になる。

そもそもアクアリウムの場合、水は水道水になる。水道水は日常的に飲むため添加物を入れて消毒してあるため、魚たちにとっては危険。

それに、魚のフンや食べ残しなどのゴミが時間が経つと腐って水中でアンモニアなどの毒素になって魚たちに危害を加えるからだ。

そういった"汚れ"を浄化してくれるのは ー 

 

バクテリア だ!

 

このバクテリアはろ過でもっとも重要なものと言っていいでしょう!

 

少しは難しい名詞も出て来るけれど、自分もよくわかっていない。笑

NO2亜硝酸塩という魚にとってもっとも危険な毒素をそのバクテリアが浄化してくれるから、バクテリアを育てる必要がある。

 

 

そのバクテリアはある種類の微生物で、自然に水の中には存在するが、時間もかかって、さらに量なども予想できないので、人工的に工夫したり、バクテリアを増すためにろ材を利用する。

 

一般的なろ過というのはこの生物ろ過+物理ろ過によって成り立つわけだ。

うまく立ち上げられたら、ゴミなども遮れて、水の浄化もされて、本当に澄み透ったような水になって、水槽を眺めるのがとても癒されることになる。

 

今回買った水槽のセットは上部フィルターといった形のろ過システムになっている。

(実は他にも外部フィルター、水中フィルター、底面フィルターなどの形がある)

この上部フィルターは父が昔やっていた水槽と全く同じような形なのだ。もしかしたら上部フィルターって昔の主流?笑

ポンプで水を吸って、それを水面の上にろ過槽という一つの空間を設け、吸った水をそこに流し落とす。そのろ過槽には白いスポンジがあって物理ろ過としての役割になる。

その下にリング状のろ材を詰めてある。水がずっとそこを流れ通るといつしかそのリング状のろ材にバクテリアが定着する。それで生物ろ過は完成になる。

 

ろ過システムについて勉強したら、水自体もそのまま水道水からじゃ入れられない。中の塩素を飛ばす"カルキ抜き"というのしてから水槽に入れる。

しばらくしたら水換えも慣れてきて、バクテリアも少しずつ住み着いたようになったので、立ち上げは完了と言えるところだったが、いろいろろ材をいじったり、順番を変えたりして、せっかく順調に育ってきたバクテリアを知らないうちに減らしたり、動きを滞らせたらしていたかわからなかった。まだこの水槽の立ち上げは続く。

 

残念ながらこの勉強の過程中に何匹も魚たちを犠牲にしてしまったこと本当に悲しく思う。

金魚、金魚すくいからの3匹、その後追加した4匹。

ラミノーズ テトラを2匹

白いモーリーを1匹

が犠牲になった。

 

生き残ったのはミッキーマウスプラティ 2匹、ブラックモーリー 1匹

 

ちなみに、立ち上げしてまもなくの頃の写真はこちら

 

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後にこのプラティたちが赤ちゃんを出産したので、増えた命のためにも、アクアリウムの火がついた僕が、とうとう本格的にアクアリウムライフを始めることに、新たに45cm、今度は水草水槽にし、よく聞くnature aquariumというやつにする。

また記事書くので、これからはこの最初の金魚の水槽を30cm水槽にし、新たな45cm水槽を45cm水槽にして、二つの水槽についてブログを続けたいと思います。

 

引き続きよろしくお願いします。

 

 

 

 

ノルウェーの森 (上下) ー 村上春樹

有名な作家に有名な作品だから読書を趣味にしているのならこれは読んでおこうという見栄張りの動機だったが、読んでみればすごい世界観に圧倒された。表現の仕方などとても自分に影響を与えてくれた作品ではあった。

 

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正直最初は読み切れるかどうか戸惑っていたくらいだった。慣れない作風、表現の仕方などなかなかわかりにくかった。物語の進行についていけていないという部分すらあった。

 


けれど慣れてきたら物語の世界に少しずつ溶け込んで、その哀愁の漂う雰囲気、喪失感、天気で例えると毎日が曇りというどんよりした虚しさからとても落ち着きを感じた。

物語自体は恋愛の話で、特に激しい起伏もないが、主人公の過ごした毎日とその思いを繊密に綴り、そんな描写が虚しさや孤独の感じを物語中にずっと漂わせていた。

 


また、すごいのがそのセックスシーンの部分で、かなりストレートに書かれていて、息を呑むほど大胆だった。

 


登場人物も多く、それぞれの性格も違うし、二冊を読んでも飽きはしなかった、中には勉強になるような話もあった。

 


上編、下編の二冊編成でも主人公の孤独、漠然としている毎日、これだけで物語が成り立つ上ダラダラした感じもせず、喪失感に包まれ、読めば読むほど味が出て読め答えを感じるのが村上春樹のすごいところなのではないかと思う。

 

攻防戦

秩序のある呼吸をしていて、一つ、そしてもう一つ、空気の酸素を鼻腔から気管、次第に肺、血管に到達しやがて全身に運ばれる。

 


そんなのがずっと繰り返しをしているのだが、今日のは少し変だ。

 


空気が鼻腔に触れた瞬間からものすごく刺激を感じ、繊細な組織が何かの尖ったものに突かれたり引っ張られたりして、時には捻られるような感覚をする。

 


それに対抗するように体が反射的にいつもより多い空気の量を貯めて、強い勢いをつけて必死にその不快な攻撃を鼻腔から追い出そうとしている。

 


それからこんないつもとは違った緊急事態のために、脳からの指示を受けて、鼻腔の繊細な組織を守るべく分泌を増やして、液体のバリアを作って、不快な攻撃を巻き込んでまるごと鼻腔から流しだす。

けれど量の調整が効かないためか、それとも敵の数が凄すぎたせいか、その液体の分泌はまるでナイアガラの滝のように流れていて、止めようがなく幾分の苦しみが与えられる。

 


そんな攻防戦を朝起きてからずっと繰り広げられている。

 


世間はそれを"鼻炎"と呼ぶらしい。

アクアリウム日記② 立ち上げ編ー 水槽

金魚すくいから我が家に来た金魚のために、とにかく住む場所ー水槽を作ってあげなきゃいけない。

 

というわけで、金魚街へと出発!

(香港在住のため、名所の一つでもあるこのアクアリウム関連のショップが並ぶ通りのこと。

また、香港から入手可能な設備や生体など日本と異なる場合もあるとは思うので、ご了承ください)

 

まずは、一番重要なのは水槽。

今家には2匹の金魚(あとで調べたが、種類はどうやら"コメット"という種類だった。尻尾が流線的で3枚展開のように見える)、それともう3、4匹入れる予定で、家も置く場所にそんなに余裕がないので、30センチの水槽を選んだ。

その時はまだアクアリウムを本格的にやろうと決心がつかず、あくまでも金魚たちにとりあえず"家"をという一心で、楽で便利な"セット水槽"にした。

 

セット水槽とは

水槽とアクアリウムに必要な設備(ポンプ、ライト。。。など)がついているセット。

メリット

セットで買えば最低限の水槽は出来上がる。他に蓋がついている場合が多いので、デザイン上もおしゃれなものが多い。初心者など知識があまりなくても始められる。

デメリット

メーカーがデザインを決めた上、ポンプ、ろ過槽、ライトなどがフィットしたサイズになっているため、設備の追加、改良などが難しい/不可能になる。水槽をレベルアップしたくてもできない。

 

実は僕もまさに今セットで買ったのを後悔をしている。飼い出すとどんどんテンションが上がってあれもこれもやってみたくなる。

"普通に水槽の本体だけ"買えば良かったのに。。。

 

水槽本体

文字通りただの水槽だけ。笑

ガラスや最近はクリスタルという素材で出来たものもある。

別途他の設備を買って組み合わせる。

メリット

水槽のみで値段が安い。それぞれの設備に合わせられる融通が利くこと。

デメリット

水槽本体買ってから他に必要な設備を買わなきゃいけない。やや知識が必要で、初心者には面倒だと感じる可能性も。

 

もっとわかりやすく説明すると、パソコンみたいに、"セット水槽"はメーカー製のパソコンセットで、買って電源を入れればすぐに立ち上がる。

一方、"水槽本体"は自作パソコンで、ハードディスクやモニターやキーボードなど一つ自由に組み合わせる。しかし、組み立てなど時間も知識も必要。

 

という訳で、セット水槽(30センチ)を購入した。

ついていた部品は、

1.水槽

2.水中ポンプ

3.ライト

これでアクアリウムが始められるという。

 

しかし、父がやっていたのを見ただけの俺じゃやっぱり経験と知識が足りない!それを思い知ったのは水槽立ち上げて、金魚を投入して次の日次々とホシになっていく事からだった。

 

原因を解明すべく、ネットで調べまくったら、そもそもアクアリウムの仕組み、金魚たちの生態などについてほとんど知らなかったことがわかった。

 

勉強して、金魚たちのためにも、自分のためにも(香港ではアクアリウムは風水にすごくいいので)良いアクアリウムライフを送らなければいけない。

 

次回はろ過についてのお話。

 

つづく

 

 

 

 

アクアリウム日記 ①

娘が金魚すくいで金魚3匹すくってきたことがきっかけになった。

 

実際熱帯魚を飼いたいという願望は実は前からずっとあったので、水槽は風水にいいという話もあるけれど、ただ設備の設置だの、日々のメンテナンスだのいろいろしなきゃいけないことから、なかなか始める勇気がなく、見送り続けてきたわけだ。

 

しかし、今回娘の金魚すくいのおかげで、妻からも「ずっとやりたかったでしょ? いいんじゃない」と背中を押されたこともあったので、遂に念願の水槽、いや、アクアリウムライフが始まったというわけになった。

 

タイトルにも書いている通り、これは単純に自分自身のアクアリウムの日記、つまり水槽を始めてからその記録としてのブログなので、ほかにある指導目線でアドバイスを書くようなブログではないので、1人の初心者の奮闘記を見るようなつもりでご覧になって頂ければ幸いだ。もちろん、コメントなども残して頂いたり、心得やら交流やらができたらもっとも望ましい。

 

では、金魚すくいから全てが始まったわけで、いきなりその日3匹の金魚が手元に来たので、取り急ぎ準備しなきゃいけなくなった。

都合のこともあって、とにかくその日は家の花瓶に水を入れ、最低限の措置だけ施した。

(しかしとんでもないミスを犯してしまったことをその時にはまだ知らなかったのだ)

 

案の定、次の日の朝、早くも1匹が天国行きになった。それはそうだ!だって酸素が入っていないんだもの!なので、すぐ実家に酸素ポンプを借りた(父が昔金魚と熱帯魚とを飼っていたので、まだ若干設備が残っている)、残りの2匹をもっと水量の多いバケツに移し、酸素ポンプもつけて、それなりに手を打ったというつもりだった。

しかし、これでは金魚を飼うとはとても言えないので、バケツじゃ金魚たちがあまりにも可哀想だ。やはり水槽が必要、水槽を買わなきゃ!ということになった。

 

そして、次の日、水槽を買いに行くことになって、本格的にアクアリウムの世界に飛び込んだのであった。

 

つづく

心の便秘

天気が悪い日に体のどこかが痛くなったりのと同じように、天気が悪い日には気持ちがブルーになる。大体そうだ。

 

この憂鬱の気持ちが来るのはいつも無防備で勝手に来るのだ。気づいたらもうすでに体が侵食されている。

わかっているのに止めることがなかなかできない。コントロールしたいけれどもはや制御不能な仕組みにでもなっているかとさえ思う。

 

こんな日には何をどうすれば良いのだろう?

 

自分自身ももちろん、周りの人たちにも負のエネルギーをばら撒き、かなり険悪ムードにしてしまう。

 

体に正直に負のエネルギーを発散したほうがいい気もするけれど、したらしたことでまた人に迷惑をかけたり、困らせたりしてしまう。

 

かといって発散しなければ良いのではというわけにもいかない気がする。我慢すればするほどとてもじゃないけど相当体に応える。

それでも我慢しようと努力はするばず、実に体に悪いとしか考えられない。

 

負のエネルギーを出したほうがいいのかな?それとも我慢すべきなのかな?と迷うかもしれないけど、本当はそもそも負のエネルギーが増殖しないこと自体が一番望ましいことに違いないと思う。

 

普段の生活から物を食べて、それが消化されて、ある程度の量が腸内に溜まったら体外に排出するという生理現象に似てるのではないかと思う。

 

普段の生活から少しずつストレスが溜まって、体外に排出しなければならない。

 

しかし、周りの人たちに迷惑をかけたくないから我慢してしまう。

 

つまりは、ウンコを我慢することだ。

 

普通我慢しないのですね?

 

 

でも負のエネルギーの発散はなぜか我慢するのだ!

 

ウンコは我慢しないのに負のエネルギーの発散はしないほうがいいとされる。弱者だとか、もっと他にポジティブに考えて有意義なことをしろとか、結構残酷的だ。

 

便意が盛り上がってる人に出さないほうがいいよ!お前は弱者だ!他にポジティブに考えて有意義なことをしろ!

 

そんなことを言うのか?おそらく言わないのだと思う。

 

もちろん、ウンコは人前ですることでもないので、トイレですることになっている。

 

しかし、負のエネルギーの発散にはトイレのような場所、あるいはそれにあたる行為のようなわかりやすい方法がないと思う。

 

それで、無理やり我慢してストレスが溜まって、ある日限界を超えて便秘になったり、胃腸炎になったりするのではないかと思う。

 

 

心の病とは心の便秘、心の胃腸炎とでも言えるかもしれない。

 

 

ため息はオナラとでも言えるのではないか?笑

 

心の老廃物を上手に排出したいと切に願いたい!

 

被取締役新入社員 ー 安藤祐介

被取締役新入社員 ー 安藤祐介

 


読了。

学生時代からドジで冴えなくて、何をやっても失敗する。とにかくモテない男。

 

そんなダメ人間がなぜか大手企業に採用され、しかも役員待遇の3千万円年俸をもらえるという破格な話。

 

その裏には人に言えない秘密が隠されている"極秘ミッション"とのこと。

 

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そんな奇想天外な設定はとにかく面白かった。

まるで金曜日の深夜12時に放送されるコメディーのようで、"おふざけ"のコントのような場面やら、それぞれくせのある登場人物やら面白い演出が満載。また誇張で皮肉った文章の綴り方もまた秀逸で読者をかなり楽しませてくれる内容になっている。

 

ちょうど前に重いテーマの本を読んだ僕には最高に気分転換ができた一冊だった。

 


そして、一見面白さばかり重視する作品に見えるが、中にはちゃんと大事なテーマを訴えたり、メッセージ性のある物語として作者の思いが込められていると思える。

 


斬新な設定ではあるが、展開はどうも王道パターン的な感じで予想はほとんどできた。

 

しかし、そんな斬新かつ大胆な物語を書く作者のことだからまさかこんな王道パターンを持ってこないだろうと内心思っていて、本当にそうなのかなと気になってドキドキしながら読んだら結局それかという感情にもなったり、内容ももちろんのこと読んでいて痛快でならなかった。

 

それは作者の文章の綴り方と物語の構成力がいかにすごいのかを見せてくれる証拠なのだ。

 


熱くなりそうな場面もあって、最後までつまらないシーンが一つもなく読みきれた。

 

また、読み終わったらかなり仕事を頑張ろうと思う気持ちがじわじわと湧いてきてる。そんな熱血な作品である。